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スルガ銀株主総会大荒れ 創業家との関係など質問集中 (日本経済新聞)


スルガ銀行は26日、静岡県沼津市内で定時株主総会を開いた。冒頭から怒号が飛び交い、動議を申し出るために席から立ち上がった株主とスルガ銀のスタッフ数十人が会場でもみ合いになる場面もみられた。取締役の選任など5議案を原案通りに可決したが、3時間22分にわたる審議で、株主から議事進行への動議が複数回なされる大荒れの総会となった。

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「株主をバカにするな」「聞こえない。黙れ」

冒頭、株主の怒号が飛び交うなか、議長を務める有国三知男社長が会場に頭を下げた。投資用不動産向け融資業務で審査書類の改ざんなどの不正がまん延していた一連の問題について、株主やシェアハウス所有者ら関係者への謝罪を述べたと見られるが、方々からのヤジにマイクの音がかき消された。

質疑応答では、創業家との関係解消やシェアハウス所有者の返済条件の見直しなどについて質問が集中した。

「創業家の岡野家がいまだ筆頭株主である状況が、他社との資本提携との障害になっている。すぐに(創業家関連企業への)融資を引き戻して株を取り戻すべきでは」という株主の質問に対し、有国社長は「創業家の保有株はいろいろな方法を模索している。早急に取り組んでいるが、具体的なやり方は守秘義務がある」と語った。

シェアハウス問題を迅速に解決できるかどうかが経営再建のカギだと訴える意見に対し、「元本カットのみならず抜本的な解決策を進めていく。個々の事案については引き続き個別に協議していきたい」(有国社長)と述べた。創業家との関係解消やシェアハウス問題解決について、時期的な目標を聞かれると「できるだけ早くとしか申し上げられない」と述べ、そのたびに株主からヤジが飛んだ。

また静岡県東部で経営者をしているという株主は「ここ20年、スルガ銀は首都圏ばかり向いて、地元をないがしろにしてきた。今後地元に根ざした営業活動をしてほしい」と注文をつけた。

出席株主は556人で、2018年の約400人から150人ほど増えた。午前10時に始まり、3時間22分にわたる審議の末、佐川急便の親会社SGホールディングス(HD)取締役の嵯峨行介氏を副社長に起用する取締役選任案など5議案を可決・承認した。しかし終了後も会場内では、シェアハウス所有者とみられる株主やその弁護団とスルガ銀行のスタッフらとのにらみ合いが15分ほど続いた。「総会を続けろ」「議論不十分で取り消せ」などの声が飛びかった。

終了後、静岡市から来た男性株主(70)は「抜本的な対策を取らないと大変なことになる」と危機感を示し「これ以上のイメージダウンを食い止めないといけない」と批判した。

三島市の60代株主は、問題発覚後の株価下落で「相当な含み損が生じている」という。総会に来たのは今後の展望を聞くためだったが「罵声が多く、具体的な話が少なかった」と語った。

          ◇

シェアハウス所有者らの弁護団は26日のスルガ銀行の定時株主総会後、静岡県沼津市内で記者会見を開いた。

総会で株主の怒号が飛び交ったことについて、河合弘之弁護士は「異例の総会だった。所有者らの不安や怒りが爆発した」と総括。「シェアハウス問題の解決なくしてスルガ銀の再建はない」と述べた。

所有不動産を銀行側に引き渡して債務の全額返済とする「代物弁済」については「交渉している。かなり煮詰まってきている」と明らかにした。

詳細は「日本経済新聞」

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